建築耐震の真実 その2
建築の耐震で大事なのは建築年数と立地条件と施工精度です。
構造はその次といったところでしょうか?
では何故そういったものが大事になってくるのか検証したいと思います。
まずは建築年数です。
これは日本の近代建築においては、
間違いなく新しい方が全てにおいて耐震性が優れてます。
技術的進歩が著しい訳でも素材が飛躍的に進歩したわけではありません。
それは、世界に類を見ないほど厳しい建築基準法があるからです。
そして災害があるたびに、法改正を行っているため、
より新しい方が耐震性が優れているのです。
この時の記事の世界一という裏付けはこういったところにもあります。
そして建材には耐用年数というものがあり、
年数が経てば経つほど確実に耐震性が失われていくのです。
前回の記事に書いた構造による建物の重さの差は耐用年数の差とも言えるのです。
重いほど長持ちする傾向にあって軽いほど早期に耐震改修が必要となります。
余談ではありますが、日本の伝統建築はこの定義には当てはまりません。
特に五重塔は未だに近代建築の教科書となるべき耐震性構造
なのです。
そして重機の無かった時代にどのようにして建造したのかも謎なのです。
使用している木材も現代とは違い、用途や用法に合わせた様々な木種を使い、
さらにその部位まで吟味し、そして長年かけて自然乾燥したものを使用してるのです。
ここまですると耐火性と耐食性の劣る部分さえカバーできれば、
耐震性と耐用性を持ち合わせた最高の建材は「木」なのです、
地道な補修改修は必要となりますがね。
残念ながら、近代建築で実現しようと思っても途方もなくお金もかかるし良い「木」も存在しません。
そして公共施設としては建築基準法をパスできないのですが、
千数百年前に既にその技術があった日本は本当に凄いのです。
海外の石造りの建物はもちろんもの凄い耐用年数です。
耐火性や耐食性はずば抜けて優れています。
しかしそれは地震が少ない硬い岩盤が多い大陸での話なのです。
日本には建物を建てるだけの石の量も無ければ地震のない安定した立地も少ないのです。
その分日本の耐震技術や改修技術が世界に類を見ない発展を遂げたと言えるでしょう。
余談が長くなってしまいました(笑)
続きは次回
にさせていただいます。