住宅のクレーム その3

私が仕上げ業者として現場に入ったときに、[[]]
建設業者の方が施主さんにいう言葉で、
それはちょっとマズイのでは?と思う言葉があります。

①「私では細かい事が分からないので施工業者の者に答えさせます。」
②「他のお客さんはソコまでの要求はされませんよ。」
③「この物の収まりはこんなもんですよ。」
といったものです。


①は一聞すれば「そりゃそうだ」と納得しそうになりますが、
おおよそ、このような言葉を連呼する建築業者にロクな業者はありません。
前々回
の時にも書きましたが建設業というのは知識が多岐にわたります。
だから簡単には答えられないことが多いのは事実です。
とはいっても施主さんの打ち合わせを施工業者任せにするのはどうかと思います。
その建設業者は知識の蓄積や元請責任を放棄しているに他ならないからです。

多分にそのような建設業者は言った言わないの話を施工業者に擦り付けるところが多いです。
施工業者の方たちも親切心が仇となるので絶対に直接契約者である元請さんを通してしか
話はしないように注意してください。


②は多少知識が無いと判断が難しいですが、
横柄な態度があったり誠実かどうか疑わしい場合は、施主さんを誤魔化す手段として用いる言葉です。
特に高齢者で人の良すぎる施主さんは気をつけないといけません。
新築やリフォームを行う前に前もって知り合いや友達に相談しないケースが多く、
建築に関しての情報が極端に少ない施主さんがまだまだ多いです。
そして建設業者によっては「そこまで要求されるならこれから工事を進められない」などという、
工事が完成していないことをネタに脅迫まがいに言う業者も存在するのです。


③は浅はかな返答です。
即答するのはもっての他ですし、施工業者に聞いてからでもその答えでは具合が悪いです。
収まりというものに明確な答えはありません。
双方が納得してはじめて収まるものなのです。
こういった場合、誠意のある建設業者であれば、
施工業者に聞いてみて、何故このような収めになったか理由を聞き、
「コレコレこういった事情でこのように収めましたが具合が悪かったでしょうか?」
という返答をすると思います。
「こんなもの」と言ってしまえばどんな状態になっていても「こんなもの」なんです。
その場しのぎでそういう返答をしてしまうこと事態が建設業者の誠意が無いものと
受け取っても良いでしょう。


粗悪な建設業者というのは先ず施主さんを誤魔化して、
誤魔化しきれなかったら施工業者に責任を振って、
施工業者を保護する立場であるのにも関わらず施工業者に責任を擦り付け、
先行きの仕事をチラつかせて渋々施工業者に補償させるものなのです。

そしてそういう建設業者ほど工事契約できるまでは施主さんに対して、
値段的にも内容においても良い事ばかり言うから手に負えません。

そのような建設業者の方が大手を振って商売をし、
大量の注文を抱え、その上、TVCMまでしていることも多々あります。


このようなことを言われたら、怖くて住宅工事できないなんて言わないで下さいね(^^;
実際は「こういったことも有り得る」と思えば9割9分大丈夫です。

余程、怪しい業者と工事契約しなければ(汗)
「建築の知識を深めること」が重要でなく「建設業界の負の部分を知っていること」が重要なのです。

そういったことを知っていれば「この施主さんは侮れないな」と思い工事も丁寧になるというものです。
決して聞き訳が良かったり休憩時間に飲み物やお茶菓子を出すことが重要ではないのです。

分からないことは建設業者に聞くべきです。
そして分からないことに対してしっかり答えの選択肢を用意していれば
その建設業者は信用しても良いと思います。