住宅のクレーム その1

住宅の新築や住宅改修工事(リフォーム)というのは、[[]]
一般消費者にとってかなり特異で異質な買い物です。
購入するものそのものをその目で確認する術がないからです。
しかも工業製品ではなく手作り商品なので品質のバラつきが起こりやすいので
余計大変です。

そして、住宅工事に付き物(憑き物(笑))なのがクレームです。
工事業者が一番悩んでるところであり、消費者も一番悩ましいものであると思います。

なぜ住宅工事では処理の難しいクレームが起きるのか?
それは、お客様にあたる施主と業者との間に、仕上がり精度と価格のあり方の価値観の不一致があるからです。


一番価値観の乖離があるのは、「価格」だと思います。
施主さんの思いと価格の価値観はビックリするくらい十人十色です。
例えば、同じように仕上がった新築2棟の住宅があったとします。
①‥方や大喜びで本当に業者に感謝されてるのに、
②‥方や裁判沙汰になるまでのご立腹状態も珍しくないのです。

なぜこんな事が起こるのでしょう?
①の施主さんは値段の相場以上に良い物を手に入れたと思っています。
②の施主さんは人生で一度きりの高価な買い物がこの程度ではやりきれないと思っています。
三者から見て同じレベルの建物に見えるし、実際に値段も同じなのにです。
だからといって私は?の施主さんが人が良すぎるとも?の施主さんが世間知らずとも思いません。


問題は営業方法にあるのです。


まず、今の住宅の売り出し価格や広告価格というのは馬鹿らしいくらいのバーゲン価格です。
逆に言えばそんな価格で普通クラスの住宅が買える訳がないのです。
それにも関わらず過激な売り出し価格にお客さんが集まり、
そしてあろう事か家の事など何も知らない営業マンが夢のようなトークを繰り広げ、
さもお客さんの思い通りの家が建つように錯覚させ、購入を決意させてしまうのです。
その営業マンの役目はおおよその場合はこの時点で終わります。

実務営業的な人が出てきて色々とお客さんの要望を聞き見積もりを出します。
そこで必ず皆さんは「高い!」と思います。
売り出し価格というのは、おおよそ必要最低限しか付いてない価格なのだから当たり前です。
何かを要望する度に高くなるので、気がつけば坪単価は2倍近くになってることでしょう。

しかし、この実務営業マンも問題で実は住宅の詳しい事はほとんど解っていない人が大半なんです。
お客さんの要望をしっかり理解していなかったり、忘れたりするのは当たり前で、
知識がないばかりか誠意すらない人間もいたりします。

実はほとんどがこの実務営業マンの当たり外れが?と?のケースを生むといっても過言ではないのです。
住宅に対しての知識とお客様に対しての誠意を兼ね備えた営業マンなんてほんの数%にすぎないですから!

それだけ住宅に対しての知識取得には時間がかかるものなのです。
それに知識が無くても誠意があるデキる営業マンは身入の少ないリスクの高い住宅営業マンにはなりません。

住宅に対して知識があり時間もあるお施主さんならばリスクはかなり軽減されます。
また不安要素が大きい部分は事前に綿密に打ち合わせをすることもできます。
住宅に対して知識も時間もないお施主さんは、希望を伝えた後は営業マン任せになります。
そして知らない間に思いと全く違ったものが出来上がっているのです。


内装業者はすっかり施主さんと元請さんの仲が確定してから工事に入ります。
その頃までに険悪になってる時はもうお施主さんは内装業者に八つ当たりするしかありません。
内装仕上げというものは直せば直すほど綺麗にはいかなくなるものですから尚更です。
内装業者は元請が作ったリスクを被らさせられることなども度々あります。
だからどういった施主さんであるかの事前情報も少ないままに、
全ての工事において安い請負金額でオーバークオリティな仕事を強いられるのです。


リフォームは更に難しいです。
新品のように仕上がらないものを新品のようになるという期待をもたれるからです。
本来は新築よりリフォームのほうがお金がかかり、綺麗に仕上がらないのは当たり前なのにです。



本来は購入するものがその目で確認できないものを買うならば、
事前に施工業者から起こりうるリスクを聞かされなければいけないはずです。
しかし、もしそういう業者があったとしても他より価格が高くて他より夢のない
営業トークが繰り広げられるのです。
皆さんそんなところで購入してくれますか?(笑)
無理ですよね(^^;

であれば、やはり施主さん自身が自衛手段として住宅業界の知識を身に付けるしかないのです。
一生物の買い物なんだからがんばりましょう!
知識も付けず文句を言って揉めても誰も得しません。
そして業者を安さだけで選ばず本当のことを言ってくれる誠意のある業者を見つけてください。

次回
以降もう少し話を掘り下げていこうと思います。