総合業と専門業

建築業界のみならず世の中の殆どの流通において、[[]]
最終的にサービスが行き届くのは、
「総合業」か「専門業」によるものです。

病院に例えるならば、
頭を怪我してしまった時は外科医院でなく「総合業」として総合病院で脳外科にも診てもらった方が万一のことを考えると良いでしょうし、
反対に手を怪我をしただけなら総合病院では何かと大層なので「専門業」である外科医院で診てもらっても問題ないと判断する事が多いでしょう。

二つとも、怪我を治療してもらうことには変わりありませんが、
状況や知識に応じて自己責任でどちらかを判断し治療を依頼するのです。
ただ、頭を怪我したからといって外科医院に診てもらうのが間違いという訳でもありませんし、
手を怪我しても万が一のために総合病院で複数の科で診てもらうのも間違いではありません。
それが各々の選択ですしもし間違えたら次に教訓を活かしたら良いのです。


それでは改修(リフォーム)工事だったらどうでしょう?
病院の「総合業」=総合病院、「専門業」=専門医院の違いに比べて、
建設業の場合は違いが判りにくいのではないでしょうか?-①
また判っていたとしても多くの「専門業」の中から自分のやりたいことに見合ったところを探すのは至難の業ではないでしょうか?-②
そしてもし間違ったとしても次に教訓を活かせる程の頻度で改修(リフォーム)工事をするでしょうか?-③


①最初に「総合業」や「専門業」の違いについて、説明します。
以前の記事に書いた「リフォーム会社」は大小に関わらずほぼ全て「総合業」です。
そして小規模リフォーム会社の中には「専門業」から規模を広げて「総合業」にしているところもあります。
そういったところは一部専門職以外の工事は下請に依頼しているのがほとんどです。

「専門業」というのは例えば‥
土木工事
基礎工事
大工工事(宮大工、建築大工、型枠大工、内装大工、造作大工、等)
電気工事(配線、照明、エアコン、等)
設備工事(配管、住宅設備機器、等)
仮設工事(足場等)
屋根工事(瓦、新建材、等)
防水工事(FRPアスファルト、ウレタン、シーリング、等)
樋工事
建築板金工事(屋根、防水、外壁、樋、等)
外壁工事(サイディング、外装パネル、等)
左官工事
タイル工事
サッシ工事
金物工事(既成金物、別注金物、等)
内装工事(クロス、床シート貼、軽鉄、等)
塗装工事(内装、外装、など)
エクステリア工事(造園、アルミ製品、等)
解体工事
etc‥
というように、大雑把に挙げてもこのように多岐にわたります。

②次にその中から自分でリフォームしたいところだけピックアップしていきます、
例えば屋根だけリフォームしたいなら屋根専門業者が良いですが、
屋根と外壁と防水辺りを考えているなら建築板金業者の方がより良い、
更にサッシや大工工事もと考えるなら小規模工務店の方が良い、
といった具合です。
複数の専門業種を、それぞれ自分で集めて工事をするのだけはお勧めできません。
例えばサッシを交換するには大工工事や内装工事に外装工事やシーリング工事がいりますが、
工事には順序がありますので、綺麗に問題なくおさめようと思うと
専門の管理技術者(現場監督) の力が必要となるからです。

③最後に多くの事を業者に求めるとそれなりにお金がかかります。
お金がかかる→頻繁には改修できない→住宅に必要なメンテナンスができない→住宅の寿命が短くなる→お金がかかる
といった悪い循環(負のスパイラル)になってしまいます。
しかし、室内のクロスの貼替えだけでも安価にできるのであれば大きく変わります。
安価にクロスを貼替えられる→汚くなったら短期間で貼替える→住宅の経年劣化が分かる→住宅メンテナンスの知識がつく→住宅の寿命が縮まる前に手がうてる
といった循環になれば、現状の改修(リフォーム)工事を含む業界全体の矛盾を改善することができると思うのです。


数回にわたり建設業の現状について書いてきましたが、
まだまだ色々な事があり私自身も分かっていない事もあるでしょう。
ただ一つ言えることは現状を憂いていても何も変わらないという事だと思います。


私共が作ったリフォクロス
のサイトには今までの私の想いが詰まっています。
最初は微力かもしれませんがなんとか業界を変えたいといった想いです!

これが完成型、終着点だとは思っていません。
リフォクロス
は私共にとってスタート地点です!
その他のライフスペースの分野にもまた違った角度から問うていきたいと考えています。