価格相応って

いくらが価格相応か?は難しい問題です。[[]]
特に、手作りの部分がほとんどの建築工事などは価格の相場も内容も検証しにくく、とても曖昧です。
みなさんも日本の工業製品などであれば、検証がしやすいと思います。
少し勉強すれば、機能的なものや付加価値の比較で値段が変わっているのが判るからです。
そこに手作りであるが故の品質の良し悪しが加わってくることによって、建築工事価格の検証を難しくしているのです。
正直言って、業界内の者でもほとんど正確な判断ができないのではないでしょうか。

前回の記事でも書きましたが、新築工事ですら曖昧な価格なのですから、改修(リフォーム)工事となると更に訳が分からなくなって当然です。
私でも100%検証できるかといえば難しいです‥いいところ80%ぐらいが限界でしょうか?(笑)
それだけ改修(リフォーム)工事というのは不確定要素が多く、そして多くの専門業者が関わらなければ完成しないものなのです。

例えば、リビングを少し広く綺麗にしたいと3社から見積もりを取ったとします。
この時3社の見積りは、
A社‥100万円
B社‥80万円
C社‥60万円
だったとします。
A社とC社の価格は、ほぼ倍です。
普通はA社はボッタクリだと思い、まず発注しないのではないでしょうか?
逆に、C社は安すぎて手抜き工事をされるんじゃないかと発注しないかも知れません。
ココが改修(リフォーム)工事の業者選定の難しいところです。
・例1
 もちろん改修(リフォーム)工事なので
 お客様の居住している間に工事をしなければなりません。
 仮に人件費と材料費の原価で40万円で工事日数が10日間かかったとしましょう。
 A社‥毎日職人とは別に工事担当が付き、
     毎日掃除し居住者や近所の方たちにも配慮をした。
 B社‥工事担当者は毎日顔を見せるものの、数分だけで後は職人任せだった。
 C社‥職人以外はほとんど誰も来なかった。
 だったとします。
 もし、事前に知っていたら恐らくB社には注文しなかったのではないでしょうか?
 実は、B社のような対応は意外にも大手リフォーム業者に
 多いケースだったりします。

・例2
 改修(リフォーム)工事は、必ずしもお客様の思うように仕上がるとは限りません。
 仮にサービス面は均一だったとしましょう。
 A社‥部屋の天井や壁や下地は全て取り払われ、
     フローリング含めて全て新品になった。
 B社‥部屋を拡げる部分の下地は補修して天井や壁はクロス貼替えして
     床はフローリング上からクッションフロアを貼った。
 C社‥部屋を拡げる部分の下地は補修して天井や壁はクロス貼替えして
     床は似ているフローリングを継いだ。
 だったとして、
 全て適正価格としたら事前の見積もり通りに工事できているでしょうか?
 意外と見積もり内容まで把握しないでA社のように工事されるものと思い込んで
 C社に発注されることが多いのです。

ざっと2例を挙げてもこんなに色々な問題が出てくるものです。
増して、ボッタクリ業社や施工技術力不足の業社やこだわりのある業社等の見極めなども含めると問題は多岐にわたります。
総合リフォーム業という業界自体に、技術力や人材が追いついてないから提供する側も買う側にも一定の基準というものがなく、問題が多く生じるのです。

今の状況では消費者はできるだけ「ネームバリューがあり信用できるっぽい業者」に頼むしかないのです。

でもそこには気づかない落とし穴がたくさんあります。
その話はまた次回
にしたいと思います。