リノベーションと建て替え その2

一般的には、その建物にかなりの思い入れがない限り、
「リノベーション」よりも建て替えて新築にしたほうが何かと都合が良いのですが、
世の中には建て替えたいけど「リノベーション」しかできない住宅が存在します。

建て替えたいのにできない理由は様々です。

例えば現在住んでる住宅がかなり古い場合などで
法律等の施行や変更により、同じ大きさの建物が建てられなくなる場合や、
条例等により、外観や高さの変更ができない場合などがあります。

しかしそれはごく一部の理由でして、
<接道義務違反>が殆どの理由なのです。

<接道義務違反>とは何なのでしょうか?
簡単に言うと、基本的に4m以上の道路に接してない家は再建築不可能というものなのです。
立地条件や条例により様々な減免措置はありますが、
法律上建て替えできない物件が数多く存在するのです。

ここで少し法律の話をします。
建築物には様々な法律が時代によって追加されてきました。
そして建物、土地、防火、衛生、構造などいくつもの法律が乱立しています。
建設会社でも熟知してるところは皆無ですし、正直私も全然分かりません(汗)
建築士の中で法律関係に長けていてお役所との人間関係もできている人に頼ってるのが実情です。
裏を返せば同じ物件でも依頼する建設業者によって条件が良かったり悪かったりします。
そしてお役所に一旦申請してみないと分からないことが多いですし、
お役所も担当によって法律の捉え方が違う場合があり一概には言えないものなのです。

「リノベーション」というと現在住んでる住宅の改修のことと思われがちですが、
意外にも中古住宅を購入して「リノベーション」する方が需要は大きいのです。

例えば中古住宅を購入する際に土地の条件が良いのにも関わらず市場より数倍安い場合があります。
そういった物件は再建築不可能物件であることが多いのです。
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もし中古住宅を鑑定する能力や知識のある方ならば新築を購入する前に、
「中古住宅購入」+「リノベーション」
を選択肢に入れることをオススメします。

「リノベーション」はもちろん仮住まいに移る事が前提ですが、
「リフォーム」も範囲が大きくなってくると何かと精神衛生上あまりよくありません。
住みながら工事するのは施主さんにかなりの負担がかかります。
また、施主さんだけでなく業者の負担も大きくコストもかかります。
裏を返せば、コストがかからないと思っている業者は対応が悪いと思って間違いないです。

ですから、立地や諸条件さえ整うのであれば中古住宅を買い、
「リノベーション」ないし「リフォーム」して、
今住んでる所を借家にするかもしくは売却するといった方法も選択肢に入れていただきたいのです。

以前の記事に
少し書きましたが現在、住宅というのは飽和状態なので、
これから新築が増えるだけ中古住宅も増えていきます。
そして優良な中古住宅が安く手に入る時代がもう来ているのです。

既に、欧米諸国ではそういった市場になってます。
日本もこれから「中古住宅」市場が活発になることは確実でしょう。
「リノベーション」や「建て替え」の検討も良いですが、
「中古住宅購入」+「リフォーム」または「リノベーション」も重要な選択肢となっていくでしょう。